不動産を『買う』という選択

 マイホームを「買う=持家として所有する」という価値観が昨今変化しています。国土交通省が公表している平成30年生活総合調査によると、将来の住替え先について、持家に住んでいる世帯の「持家」への住替え意向が、ここ10年で約8割から約6割にまで減少しており、借家に住んでいる世帯の「借家」への住替え意向はより強くなり、「持家」への住替え意向を上回っているそうです。

 そもそも、単身世帯、子育て世帯といったマイホームの購入層が年々下がっていることは住宅着工数の減少から周知のとおりですが、その理由は単純に少子化といったことだけではなく、「不動産は所有するものではなく、利用するものだ」と考えている人たちが増加しているから、と読み取ることができます。いわゆるサブスクなどの不動産を有効活用したシェアビジネスが拡大していることもこの考え方の裏付けとなります。

 併せて、不動産の資産としての本質も「現金化しにくいもの」と変化しており、「J-REIT」などの証券化された一部のもの以外は、不動産=資産といわれた時代はとうの昔に過ぎ去ったと言えます。

 自分のライフスタイルに合っている、予想以上にお手軽な値段で買えた、といった個人的実情であればその人の『買う』という選択肢に合致していたと考えられますが、「一国一城の主になりたいから」、「家賃がもったいないから」といった世間一般的な理由で購入する場合は、将来その不動産を手放すときの出口戦略まで考えないといけないかもしれませんね。